The Beatles - Blackbird について
歌詞を見た段階では、未熟な自分への応援歌なのかな程度に思っていましたが、制作背景を調査してみると社会的な意味が強く込められた作品であることが分かりました。勘のいい方ならお気づきだと思いますが「blackbird」は「黒人」のことを指しています。この曲のリリース当時(1960年代)、アメリカでは差別撤廃に向けた公民権運動が盛んに行われていました。The Beatlesは、運動に奮闘する彼らへの励ましと、時代が幕開けることへの期待をこの曲に込めたようです。
[Verse 1]
※1Blackbird singing in the dead of night
Take these broken wings and learn to fly
All your life
You were only waiting for this moment to arise
[Verse 2]
Blackbird singing in the dead of night
Take these sunken eyes and learn to see
All your life
You were only waiting for this moment to be free
[Chorus]
Blackbird fly, blackbird fly
Into the light of the dark black night
[Instrumental Break]
[Chorus]
[Verse 1]
[Outro]
You were only waiting for this moment to arise
You were only waiting for this moment to arise
以下、訳
[Verse 1]
※1ブラックバードが夜明けに向かって歌っている
折れた翼を脱ぎ捨てて、空へ飛び立とう
人生において
まさにこの瞬間を待っていたんだろう
[Verse 2]
ブラックバードが夜明けに向かって歌っている
弱った眼を見開いて世界を眺めよう
人生において
自由に羽ばたくこの時を待っていたんだろう
[Chorus]
ブラックバードよ飛んでいけ
真っ黒な夜の明かりを求めて
[Instrumental Break]
[Chorus]
[Verse 1]
[Outro]
まさにこの瞬間を待っていたんだろう
幕開ける瞬間を
※1・・・「Blackbird」について
比喩表現を尊重したいので敢えてそのまま「ブラックバード」という訳にしましたが、皆さんは「ブラックバード」と聞いてどんな鳥を想像するでしょうか。多くの日本人にとってそれは「カラス」なのではないかと思います。欧米では「Blackbird」は「クロウタドリ」を指すようです。クロウタドリは非常に美しく囀る鳥で、楽曲中にも鳴き声が収録されています。
今回は初めてThe Beatlesの楽曲を取り上げました。紹介してきた曲の中では一番古い曲でしたが、派手なサウンドエフェクトやボイスチェンジに頼らない「blackbird」はやはり聴きごたえのあるものです。現代において、このような曲を「ちゃんと」歌える歌手は決して多くないのではないでしょうか。