ねこ太郎ねこの音楽ブログ

洋楽翻訳や歌詞考察を通して音楽をもっと楽しむ!ためのブログです。

Taylor Swift - Mean について

先週行われたAmerican Music Award (AMA)では、「Artist of the Year」に(予想通り?)Taylor Swiftが選出されました。Taylorは様々な点で評価されていますが、個人的に一番の魅力はその「歌詞」だと思っています。楽曲テーマは日常の心情に関するものが多く、歌詞は繊細かつ多くの人が共感できる内容です。

今回紹介する「Mean」(2011年リリース)はTaylorの人生を描いたような曲で、MVを見てると彼女自身現在の成功を予期していたのではないか、と感じてしまいます。カントリーミュージック調なのもTaylorらしく、どこか懐かしさを感じることができます。ちなみに英単語の「Mean」には「意味する」「意地悪」「平均」など複数意味があって、学生の頃の私は「めんどくせえ単語だなあ」と思っていました。

 

 

[Verse 1]
You, with your words like knives
And swords and weapons that you use against me
You have knocked me off my feet again
Got me feeling like I'm nothing
You, with your voice like nails on a chalkboard ※1
Calling me out when I'm wounded
You, picking on the weaker man

[Pre-Chorus]
Well, you can take me down
With just one single blow
But you don't know what you don't know

[Chorus]
Someday, I'll be living in a big old city
And all you're ever gonna be is mean
Someday, I'll be big enough so you can't hit me
And all you're ever gonna be is mean
Why you gotta be so mean?

[Verse 2]
You, with your switching sides ※2
And your wildfire lies and your humiliation
You have pointed out my flaws again
As if I don't already see them
I walk with my head down, trying to block you out
'Cause I'll never impress you
I just wanna feel okay again

[Pre-Chorus]
I bet you got pushed around
Somebody made you cold
But the cycle ends right now  ※3
'Cause you can't lead me down that road
And you don't know what you don't know

[Chorus]

[Bridge]
And I can see you years from now in a bar
Talking over a football game
With that same big loud opinion
But nobody's listening
Washed up and ranting about the same old bitter things
Drunk and grumbling on about how I can't sing ※4
But all you are is mean
All you are is mean
And a liar, and pathetic, and alone in life
And mean, and mean, and mean, and mean

[Breakdown]

[Chorus]

以下、訳

 

[Verse 1]
あなたはナイフのような言葉を
そう剣や武器のような言葉を 私にぶつける

あなたはそうやってまた私の足をすくうの
空っぽな人間だって思わされるわ
あなたは不愉快な声で ※1
傷ついた私に声をかける
あなたは自分よりも弱い人を狙う

[Pre-Chorus]
あなたは私を貶めることができるの
たった一撃でね
でもあなたは何もわかってない

[Chorus]
いつか私は大都会に住むの
あなたは意地悪なだけの存在
いつか私はあなたが当たれないほど大物になるの
あなたは意地悪ばっかりして
なんでそんなに意地悪なの?

[Verse 2]
あなたはコロコロ変わる友達と ※2
火のように嘘をつくけど屈辱を抱えてる
私の欠点ばかり批判するのね
私がそれを判ってないかのようにね
私はあなたを避けようと頭を下げて歩くの
あなたに主張なんてしないから
また安心したい

[Pre-Chorus]
あなたも外れ者にされたのね
誰かがあなたを冷酷にしてしまった
でもこのサイクルもこれで終わり ※3
あなたは私を縛り付けることなんてできないの
ほんとに何もわかってないのね

[Chorus]

[Bridge]
そして何年後かにバーであなたを見かけるの
サッカーの話を
あのバカ大きな声でしてるけど
誰も聞いてやしない
失敗したのね、まだ昔のことに文句を言ってる
飲んだくれになって私の歌に不満を言ってる ※4
あなたは意地悪なだけ
意地悪なことしかできない
嘘つきで、可哀そう、独りぼっちなのね
ほんと意地悪なんだから

[Breakdown]

[Chorus]

 

※1・・・「nails on a chalkboard」について

直訳すると「黒板に爪」です。黒板に爪を立てたときの音は欧米でも不評なようです。私もあの音は嫌いという認識ですが、ただ単にその「音」が嫌なのか、黒板に爪を立てる行為そのものが嫌いなのかは自分でもわかっていません。

※2・・・「your switching sides」について

私はこの「sides」を「取り巻きの友達」と捉え、そう訳しました。「sides」は他にも「立場」だったり「表面(おもてづら)」等と解釈できますが、どちらにせよ「自分」を持たない人を指しています。

※3・・・「But the cycle ends right now」について

「Mean」の中で一番好きな歌詞です。かっこいい。

※4・・・「grumbling on about how I can't sing」について

ここでは「私の歌に不満を言ってる」と歌っていますが、これはおそらく過去にTaylorが受けた批判が元になっているのでしょう。どんな人も「言われて嫌だったこと」があり、それは記憶に残ってしまうものです。「言葉」の難しさと重みを感じます。

 

この曲の題名は、「Mean(意地悪)」ですが歌詞の内容を見る限り、この曲は「Bully(いじめっ子)」に対する忠告をしているように思えます。しかし、ただひたすらに「いじめっ子」を批判するのではなく、「I bet you got pushed around, Somebody made you cold」の部分等で、「いじめっ子」に対する情けが表現されていおり、Taylorの優しさが感じ取れます。「こんな歌詞に出てくる人にならないでね」と若者に語りかけているのだと思います。私を含め「いじめ」に全く関わったことのない人はほとんどいないと思います。ただ時に過去を振り返ってみて自分の過ちを認めるのは、大事なことだと思っています。