ねこ太郎ねこの音楽ブログ

洋楽翻訳や歌詞考察を通して音楽をもっと楽しむ!ためのブログです。

Selena Gomez, Marshmello - Wolves について

なんとなしに選曲しましたが今回も題名に「動物」がいます。狼、というと一匹狼を連想してしまい「辛いことがあったけど、私は一人で強く生きていくんだ!」的な歌詞を期待してしまいます。Selena Gomezは何を思い「Wolves」を歌っているのでしょうか。なおSelenaは2017年に腎臓移植手術を受けており、この曲は手術後に発表された初の楽曲でもあります。

 

 

[Verse 1]
In your eyes, there's a heavy blue
One to love, and one to lose
Sweet divine, a heavy truth
Water or wine, don't make me choose ※1

[Pre-Chorus]
I wanna feel the way that we did that summer night, night
Drunk on a feeling, alone with the stars in the sky

[Chorus]
I've been running through the jungle
I've been running with the wolves
To get to you, to get to you
I've been down the darkest alleys
Saw the dark side of the moon
To get to you, to get to you
I've looked for love in every stranger
Took too much to ease the anger
All for you, yeah, all for you
I've been running through the jungle
I've been crying with the wolves
To get to you, to get to you, to get to you

[Drop]
To get to you
To get to you

[Verse 2]
Your fingertips trace my skin
To places I have never been
Blindly, I am following
Break down these walls and come on in

[Pre-Chorus]

[Chorus]

[Drop]

[Chorus]

 

以下、訳

 

[Verse 1]
あなたの目に深い青色が見える
一人を愛し、一人失うの
麗しき神よ、 これが真実なのね
水かワインかで選ばせないで ※1

[Pre-Chorus]
夏の夜にやったようにもう一度感じたいの
空の星々を見ながら一人で黄昏るの

[Chorus]
私はジャングルを走り抜けてきた
狼の群れと一緒に
あなたに会うために
真っ暗な路地で横たわってた
暗い月面を見てた
あなたに会うために
見知らぬ人にさえ愛を求めてた
怒りが消えてしまうほど時間が経った
全てはあなたのため
ジャングルを走り抜けてきた
狼と泣きながら
あなたに会うために、あなたに会うために

[Drop]
あなたに会うために
あなたを得るために

[Verse 2]
あなたの指先が肌をたどるの
まだ行ったことのない場所へ
周りなんて見ずについていくわ
壁を壊して入ってきてよ

[Pre-Chorus]

[Chorus]

[Drop]

[Chorus]

 

※1・・・「Sweet divine, a heavy truth Water or wine, don't make me choose」について

最初はこの部分をどう訳していいかよくわかりませんでした。これは後の歌詞でわかることですが、この曲では「一度は別れてしまったものの相手を想い続けている」という状況が描かれています。そのような状況を踏まえると「Sweet divine, a heavy truth」の部分では、「divine(神)」に対して「これが真理なのね」といっており、諦念を示しているのではないかと考えられます。次の「Water or wine, don't make me choose」ですが、これは究極の二択を表しており、生命に必要な「water」か、得難い味である「wine」を選ばせないで、と言っています。かなり抽象的ですが、「wine」である彼/彼女といれば幸せな時間を過ごすことができるが何らかの制約によって永らえることはできない一方、「water」(=別れ)を選べば関係を壊さず生き永らえる、ということだと思っています。

 

翻訳をするにあたりいろいろ調べているとSelenaは「Lupus」、日本語では「全身性エリテマトーデス」という症性臓器障害を起こす自己免疫疾患であったことが分かりました。(移植手術したのもこの疾患の治療のため。)「Lupus」についてwikiを読んでいると、「Lupus is Latin for "wolf": the disease was so-named in the 13th century as the rash was thought to appear like a wolf's bite.」-「ラテン語で狼の意で、狼の嚙み痕のような症状が出るため13世紀にそう名付けられた」とあります。この一致は偶然とも取れますが、疾患に対して正面から向き合っているというSelenaの気持ちが「Wolves」に込められているのかもなあと思いながら聞くと、彼女の強さを感じ取ることができます。