ねこ太郎ねこの音楽ブログ

洋楽翻訳や歌詞考察を通して音楽をもっと楽しむ!ためのブログです。

Jessie J - Price Tag について

モノに対する価値は人によって様々ですが、ほとんどの場合、そのものには既に「価値」が付与されていることが多いように感じます。例えば洋服の場合、それには「値札」がついており、それが8000円であればその洋服の「価値」は「8000円」と社会的に定義されてしまいます。そして人はしばしば自分をよく見せるために「価値」の高いモノを求め、身に纏おうとします。それが音楽であったとしても、同様のことが言えそうで、社会的に人気のある曲は必然的に「価値」が上がり、それを求める人も多くなります。(私もこうして人気曲ばかり選曲してしまいます。)私たちは知らずうちに、社会が定めた/作った「価値」に翻弄されているのかもしれません。

 



[Intro: Jessie J]
Okay, Coconut Man, Moonhead and Pea ※1
You ready?

[Verse 1: Jessie J]
Seems like everybody's got a price
I wonder how they sleep at night
When the sale comes first and the truth comes second ※2
Just stop for a minute and smile
Why is everybody so serious?
Acting so damn mysterious
Got shades on your eyes
And your heels so high that you can't even have a good time

[Pre-Chorus: Jessie J]
Everybody look to their left
Everybody look to their right
Can you feel that? Yeah
We're paying with love tonight

[Chorus: Jessie J]
It's not about the money, money, money
We don't need your money, money, money
We just wanna make the world dance
Forget about the price tag
Ain't about the, uh, cha-ching, cha-ching
Ain't about the, yeah, ba-bling, ba-bling
Wanna make the world dance
Forget about the price tag

[Verse 2: Jessie J]
Okay
We need to take it back in time
When music made us all unite
And it wasn't low blows and video hoes ※3
Am I the only one getting tired?
Why is everybody so obsessed?
Money can't buy us happiness
Can we all slow down and enjoy right now?
Guarantee we'll be feeling alright

[Pre-Chorus: Jessie J]

[Chorus: Jessie J]

[Verse 3: B.o.B]
Yeah, yeah, well, keep the price tag, and take the cash back
Just give me six strings (six strings) and a half stack (half stack) ※4
And you can, can keep the cars, leave me the garage
And all I, yes, all I need are keys and guitars
And guess what? In 30 seconds, I'm leaving to Mars
Yeah, we leaping across these undefeatable odds
It's like this man, you can't put a price on a life
We do this for the love, so we fight and sacrifice every night
So we ain't gon' stumble and fall, never
Waiting to see this in the sign of defeat, uh-uh
So we gon' keep everyone moving their feet
So bring back the beat, and then everyone sing
It's not about the money

[Chorus: Jessie J, B.o.B]

[Outro: Jessie J]

 

以下、訳

 

[Intro: Jessie J]
Coconut Man、Moonhead、Pea ※1
用意はいい?

[Verse 1: Jessie J]
皆お高くとまってるように見える
どうやって寝てるか気になるわ
安売りがあったってすぐに真実が現れるわ ※2
ちょっと立ち止まって笑顔を作ってみなよ
皆はなんでそんなマジになってるの?
馬鹿みたいに神妙な面持ちで
目に陰りが見えるし
ヒールが高すぎて楽しむことも出来てない

[Pre-Chorus: Jessie J]
左を見たり
右を見たり周りを気にしてる
わかるかしら?
私たちは今夜は愛を与えているの

[Chorus: Jessie J]
お金なんかじゃなくて
あなたのお金なんて必要ないわ
世界中の人を踊らせたいだけ
値札のことは忘れましょう
儲けることなんて考えない
キラキラした輝きなんかいらないの
世界を盛り上げたいの
値札なんて関係ない

[Verse 2: Jessie J]
いい?
あの頃に戻らないと
音楽が皆をひとつにしてた頃に
卑怯なんてなくて美女ばっかりの映像もなかった ※3
なんで私だけこんな疲れてしまったの
一体何に取りつかれたの?
お金じゃ幸せは買えないわ
もっとのんびりしてこの瞬間を楽しもうじゃない?
大丈夫って保証するわ

[Pre-Chorus: Jessie J]

[Chorus: Jessie J]

[Verse 3: B.o.B]
なあなあ、そうだな、タグはつけたまま金は返してもらおう
6本の弦とハーフスタックさえくれればいい ※4
ああそれから、俺をガレージに残して車だって持ってけばいい
そう俺が欲しいのは、必要なのはキーとギターだけだからね
どうなるかって?たった30秒で火星に向かってやるよ
そうさ無謀な賭けだって乗り越えてやるさ
こんなヤツなら人生に価値なんてつけられないだろ
俺たちは愛のためにやるんだ、だから毎晩身を削って闘ってる
だから躓(つまず)いて落ちぶれてなんていられない、これからもな
敗北が知りたいね
だから俺たちは皆の足を動かし続けるんだ
だからビートを戻して皆で歌おうぜ
金なんて関係ねえ

[Chorus: Jessie J, B.o.B]

[Outro: Jessie J]

 

※1・・・「Coconut Man, Moonhead and Pea」について

この部分ではそれぞれ以下の人物を指しています。
①Coconut Man(ココナッツマン)→Dr. Luke。作曲家で歌手。有名どこで言うと
Avril Lavigne"Girlfriend"なんかも手掛けたそうです。ココナッツが大好きなので「Coconut Man」と呼ばれているそうです。
②Moonhead(月みたいな頭)→Claude Kelly。こちらも作曲家・歌手です。広いジャンルの曲を得意としていてPitbullの"International Love"なども手掛けています。頭が大きいので「Moonhead」。
③Pea(豆)→Jessie J自身。Jessie Jの幼少期からの愛称の一つです。頭が小さいので「Pea」。

※2・・・「When the sale comes first and the truth comes second」について
ここは「安売りがあったってすぐに真実が現れるわ」と訳しましたが、要は「値段ばかり見てしまって、中身(内容)の価値に気づかない」ことを表現しています。

※3・・・「low blows and video hoes」について
どちらも意味が分からなったので調べました。
「low blows」は「低い位置へのブロー」の意が転じて「ずるく卑怯なこと」を表します。ボクシングの反則の一つにも「ローブロー」があるらしいので、ボクシングに詳しい方なら意味がよくわかるかもしれません。
「video hoes」の「hoe」はいわゆる「軽い女」や「ビッチ」を指します。"whore"(売春婦)の発音が由来となっているそうです。私は「video hoes」を「(視聴率を取るために)女性を起用した映像」と解釈しました。TVのCMなどがいい例だと思います。

※4・・・「half stack」について
ギターを扱っている方ならわかるかもしれませんが、「half stack」はギターのアンプとスピーカーが重なったもの(あるいはセットになったもの)を指します。見ると「ああこれかあ」となると思います。気になる方は調べてみてください。

 

曲の言わんとしていることはよくわかりますが、この曲が音楽業界で評価され、ヒットしてしまったのもまた皮肉だと思ってしまいます。

さて曲の後半は音楽の価値について歌っています。音楽というものは聴いた人に様々な感情を届けたり、シェアすることができるものですが、形はないので「価値」を決めるのは人それぞれになってしまうと思います。私は3歳か4歳の頃に「とけいのうた」という約30秒しかないオリジナル曲をばあちゃんの前で披露しました(その時はベッドがステージ替わりだった)。喜んで聞いてくれるばあちゃんを見て私も嬉しかったのを覚えています。自分にとって「価値」のある曲はひとつ、「とけいのうた」のように人を喜ばせることのできる曲だなあと思っています。